橋本薫コラム vol.4「アウトカムにこだわる」
アウトカムにこだわる
中学生の頃、うまいこと能書きを垂れる人がいました。ごもっともなこと、うまいことを並べ、いかにも優等生のように振る舞う。
今振り返ってみれば、実際に優等生だったのかもしれません(笑)。
そういう人とはとんと縁が遠かった私でした。
しかし、社会に出てみると、そうした類いの人は決して少なくない。口が上手いから、上司への見せ方もうまい。
ただ部下には厳しい。また、言い訳も上手い。
それらが出世につながる場面も確かにあるのだと、若い頃は腹立たしくもあり、幾分、嫉妬を覚えたこともありました。
けれども、出世も上司への気遣いも意味がなくなった、七十を超えたジジイになってみると、物事を俯瞰するようになってきます。
大事なことは、何を語ったかではなく、何を実現したのか。何を成し遂げたのか。
どれだけ立派な理念を掲げても、どれだけ綺麗事を並べても、その活動を通じて何かが変わったのか。人々の暮らしに変化をもたらしたのか。
社会が少しでも良くなったのか。問われるべきは、そこではないでしょうか。言葉ではなく、成果。成果です。
つまり、アウトカム。
アウトカムとは、何らかの行動、施策などを実施した結果として得られる、最終的な成果や効果のことです。
特に医療において、このアウトカムの考え方は極めて重要です。
医療におけるアウトカムとは、治療やケアなどの医学的介入によって得られた結果や成果のことです。
生存率や検査数値の改善だけではありません。
患者の生活の質、すなわちQOLの向上。その人らしい生活の継続。医療行為が患者の人生にもたらす最終的な影響全般。
それこそが、医療におけるアウトカムの本質です。
薬局ができること。薬剤師ができること。
それも、まさにこのアウトカムから先に考えるべきですね。
目の前の患者に服薬指導をすることは、最終的に何をもたらすのでしょうか。
当然、薬を正しく飲めるようになることだけが目的ではありません。
その先にある、症状の安定。重症化の予防。入院の回避。その人らしい生活の継続。
患者が安心して日々を過ごせること。家族が少しでも不安を減らせること。地域の医療や介護の負担を軽くすること。
そこまで見据えてこそ、薬剤師、医療人の仕事には本当の意味が生まれるのだと思います。
問題意識も持たずに述べた薬の説明ではなく、実際に何を変えたのか。どのような成果を生み出したのか。
これからの薬局、薬剤師に求められる視点。
それが、アウトカムから物事を考える姿勢ではないでしょうか。国が求めているのも、まさにここです。
目の前の一つひとつの行動が、患者の未来にどうつながるのか。顧客の暮らしにどう影響するのか。地域の安心にどう結びつくのか。それを考え続けること。
そこに、薬局スタッフの仕事の誇りがあり、日々の仕事に向かうための大きなモチベーションがあるのだと思います。
class A の薬局はアウトカムにこだわります。
橋本薫




